【わがままじゃない!】偏食・上着を着ない…それって感覚過敏かも!10分で学ぶ子育てや支援のポイントは?
この記事は10分で読めます。
「この子、〇〇しか食べないんです」「冬なのに上着をきてくれなくて…」など保護者さんからの切実な問いかけに答えが詰まってしまうことってありませんか?実際の療育現場では偏食などの相談は、実は結構多いのです。
「好きなものに混ぜて…」「ミキサーで細かく…」「好きな絵柄の上着を…」などと返答をしていませんか?でも、私たちが助言することって大体の保護者さんはやってらっしゃいますよね。
激しい偏食や気温差に気づかない行動は、周囲から「しつけ」の問題に見られがち。支援員としてなんて言ってあげたらいいのか…迷うあなたは真剣に子どもや親子に向き合っている証拠。
実は、、、こういった偏食、上着をきてくれないことは、感覚過敏・感覚鈍麻と関わりがあるのです。これから紹介する本で教えてくれるのは、大人側の当たり前をゆるめ、本人の感覚に歩み寄る支援です。
この記事では書籍「マンガでわかる 発達障害の子どもたち(本田秀夫先生)」の中から、二つの事例を取り上げ要点をまとめています。

この10分の時間で、私と一緒に支援員としてスキルをアップデートしていきませんか?
○書籍「マンガでわかる 発達障害の子どもたち」の概要
○偏食で困っている子どもの気持ちと支援のコツ
○季節感のない服装で困っている子どもの気持ちと支援のコツ
○保護者へのフィードバックのヒント
この記事を読むと、あなたの事業所にもいる自閉スペクトラム症(ASD)の子どもで、偏食や上着をきてくれない(服装に季節感がない、こだわりがある)子どもから見た気持ち、保護者へのフィードバックのヒントがわかるので、より信頼関係を向上し手厚い支援が展開できますよ!
「マンガでわかる発達障害の子どもたち」概要
この本は、自閉スペクトラム症(ASD)の子どもたちが日常生活でみせる「一見、理解しがたい行動」の裏側にある「本人の感じ方」をマンガで解説した一冊です。
ポイント1 「適応よりも自分らしく」
一般的な療育本が「どうやって社会に適応させるか」に重きを置くのに対し、この本は「無理に周りに合わせるのではなく、本人が楽に過ごせる環境をどう作るか」という本田先生流の「ゆるめる支援」を教えてくれます。
ポイント2 「マンガでわかる本人視点」
「なぜ何度言っても伝わらないのか?」「なぜこだわりが強いのか?」といった親や先生の悩みに対し、子ども側の脳内で何が起きているのかをマンガで視覚的に説明。読んだ後に、子どもの見え方が180度変わるような工夫がされており、すぐに実践することができます。
ポイント3 「20の具体的なケース」
園や学校、家庭でよくある20の困りごと(ケース)をピックアップされており、それぞれの「行動の理由」と「具体的なサポート案」がセットで紹介されています。
本田先生の言う感覚とは脳の特性
感覚の異常は先天的な特徴で、時間が経っても変わりません。感覚的な特徴というものは誰にでもあります。大きな音や苦手な感触は変えられるようなものではない…。矯正しようとしても難しいです。
特に感覚的な苦痛というのは基本的には慣れることが難しいものです。
特定の食感、におい、見た目が「苦痛」本当は我慢していることに気づいて欲しい
口の中は超過敏!本人の感じ方とは?
自閉スペクトラム症の特徴として、偏食がある子どもたちがいます。偏食は大きく分けて二種類に分けることができます。

離乳食の時点から苦手な感覚のものは口に入れることを拒む様子が見られます。
食べられない理由と気持ち
子どもたちがご飯を食べないもしくは食べれないときは、「どろっとした食感が苦手」「砂利やトゲを口に入れて食べる感覚のよう」などといった感覚的な理由があり食べれないのです。
私たちもにおいが強烈なものや痛いと感じる食感のものは口に入れたくないですよね。それと同じことかなと私は思います。
支援のコツ
まず前提として、指導する必要はありません。
「え?」と思われますよね。私も「え?」って思いました。でも、ちゃんと理由があります。
指導する必要がない理由
こだわりは変わっていくものだからです。無理に強制をするとかえってこだわりが強くなってしまう場合もあります。感覚に異常がある子どもに苦手なものを食べさせることは拷問に近い行為です。
でもずっと食べれないのは心配…
強制はしない方がいいですし、食べれるものを用意することが大前提です。でも、他のものを一切試さなくていいかというとそうではないです。
なのでそのために、いつも食べているものの横に新しい食べ物を置いてみる、そうすると興味を示して食べてくれることもあります。食べなかったら引っ込めちゃいましょう。
苦手なものは強制しない、興味を示すまでじっくり待つことが大事
感覚的に苦手な食べ物は先天的な特徴のため強制して慣れさせなくてもいい。こだわりの場合は、興味を示すまでじっくり待ってあげましょう。いずれ食べれるときが来ると思います。
食べれるもので栄養をとり、健康に過ごせばいいのです。
フィードバックのQ&A

保護者の方がとっても苦しんでいたら、ぜひ上記の支援のコツを参考にして「食べさせないと」「頑張らないと」という気持ちを、ゆるめてあげてみてください。

・こだわりの場合はいつもの食べ物の横に違うものを置いてみる
・感覚過敏の場合は離乳食の状況なども聞き取ってみる、強制はしない
でしたね。
寒くないの!?冬でも半袖短パンなのは感覚鈍麻が理由
上着をきてくれないのは衣類の感覚が苦手?寒さを感じにくい感覚鈍麻?
真冬でも半袖短パンを好む子どもっていますよね。もともと体温が高く薄着がいい子もいれば、感覚の異常から薄着を好む子もいるのです。
長袖や長ズボンを履かない理由はこちらの図。

子どもに大丈夫と言われても、保護者や周りの大人たちは心配になりますよね…。
上着を嫌がる理由と気持ち
皮膚の感覚過敏からこの服着たくない!
綿、ポリエステルなど世の中にはいろんな素材で作られている洋服がありますよね。子ども服も例外ではありません。
素材によっては感覚過敏の子は「ちくちくして痛い」など苦痛に思うことがあります。
え、暑いの?寒いの?平気なんですけど…。
気温の変化を感じにくく、肌感覚では衣類の調節ができない子どもがいます。気温が低くなったから、冬になったから、「長袖を着た方がいい」と気づくことが難しいのです。
支援のコツ
子どもが半袖短パンを着たがる理由、上着や長袖を嫌がる理由を理解しながら対応を検討していく必要があります。
皮膚の感覚過敏の場合
こちらも偏食同様、強制することはよくありませんね。
すでにお話ができる発達段階であれば、どのような長袖長ズボンや上着なら着れるのかを確認し対応できると良いですね。これは私の解釈ですが、まだ幼児さんで、言葉で説明が難しい場合には、いろんな素材のお洋服をみて、どれが好みなのか実際に選んでもらってもいいと思います。
体感温度が分かりにくい感覚鈍麻の場合
この場合は「大丈夫?」と聞いても本人は感覚的に寒さを感じていないため「大丈夫」と返してきます。それを信じてしまってあとから体調を崩すことがあっては大変。そういう時は外部からの情報で判断するとよいでしょう。
例えば、何度異常はこの格好、何度以下はこれを着ようねなどですね。数字や時間でルールを決め、感覚に頼らず体を守れると良いですね。
子どもが健康を維持できていて、社会的にみても極端に不自然でなければ特に問題はない。
フィードバックのQ&A

「わがままばっかりで…」と困ったり呆れている保護者が多かった印象ですがみなさんの事業所ではいかがでしょうか?
ぜひ、上記の支援を参考にして、「もしかしたら本人なりの理由があるかも?」とより専門的な視点で返答し一緒に考えてあげるといいかもしれませんね。
【実話】現場で実際にあった保護者との話
自閉スペクトラム症×知的障害の偏食男の子Aくん
Aくんは聴覚過敏に感覚過敏、こだわりの強さが顕著に出ている男の子。かなりの偏食でしたがお母さんはAくんのこの特性をしっかり理解していました。お母さんにご自宅の様子を伺うと、
「食べないのなら食べれるものを食べてくれさえすればいいし、決まったものでも食べれるものがあるだけよい。野菜を食べれないなら野菜ジュースを飲んでくれさえすればそれでいい。」
と、おっしゃっていました。
私はまさに本田先生のゆるめる育児(支援)であるなと思います。無理に苦痛を与えるよりも本人のペースを守り理解する、私が現場で聞いた偏食のお話でもっとも参考になり、尊敬しているお母さんです。
自閉スペクトラム症×知的障害の偏食男の子Bくん
とにかくこだわりが強いBくん。お母さんはとにかく食べてもらいたいと細かく刻む、好きなものに混ぜ込む、食感を変えるなどしたそうですが、本当に食べてくれないと悩みかなり疲れ切ってました。
私はその時にこれと言ったアドバイスもできず、お母さんを励ますことしかできませんでした。
今思えば、きっとBくんは感覚過敏で嫌なものというよりはこだわりからくる偏食だったかなと思います。(当時はヒアリングもまともにできていなかったので確信はありませんが)
今思えば、支援をするべき対象はBくんではなくお母さんだったなと思います。とても一生懸命で頑張り屋さんのお母さん、なんでも完璧にやろうとするお母さんの心をもっとゆるめてあげるフィードバックができたらなと今は思います。
まとめ
いかがでしたか?
○書籍「マンガでわかる 発達障害の子どもたち」の概要
○偏食で困っている子どもの気持ちと支援のコツ
○季節感のない服装で困っている子どもの気持ちと支援のコツ
○保護者へのフィードバックのヒント
感覚過敏や感覚鈍麻は、本人の努力ではどうにもならない「脳の特性」。だからこそ、私たち支援員が正しい知識を持ち、環境を整えてあげることが、子どもたちの生きづらさを減らす唯一の近道になります。
環境を整えることで「一口食べられた」「上着を着られた」といった小さな変化を、保護者の方と一緒に喜べる。そんな温かい支援の輪が広がっていくことを願っています。
悩みを抱える保護者の方に、ゆるめる育児(支援)を伝え、保護者の方にも安心感と信頼感を持っていただけるようなフィードバックができると支援員として一緒に成長していきましょう。
私は未経験知識0で療育、福祉業界にキャリアチェンジをしました。現場で実務を通して学びスキルを向上させてきた経験を踏まえ、知識0が知識を一つずつ増やしていく方法として役に立った書籍や事例を紹介しています。療育支援や対人支援職に挑戦しているけど教科書通りにうまくいかない、忙しくて学ぶ時間がとれない支援員さんへ情報発信をしていきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。

